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 DIARY~活動記録   

2015/8/29(Sat)

 

 

今日の活動は釜石市鵜住居(うのすまい)サポートセンター。マリコは終日タッチケアで、ユキコは午前中ヨーガクラスを行って、あとは関東チームが大槌でお世話になってる方たちにご挨拶など。ユキコはそのあと一足先に大阪へ戻るため、二人は別行動となります。ココフル関東チームともお昼でお別れです。

 

8:30

 

ホテルマルエをチェックアウトし、ちょこっと余った時間で釜石駅前のシープラザをのぞきました。ここは海産物の殿堂。いつも開いてる時間に来れたためしがなかったからちょっとうれしい。いや、来れたからって買って帰れないんだけど魚^-^;

10:00

ココフル関東チームの車で送ってもらい、鵜住居のサポートセンターに到着。

もうすっかりおなじみになって、ここの外部スタッフのような気になってきました。

「どーも、またお世話になります!」

「よろしくお願いします!」

 

ヨーガマットを購入していただいたのがほんとにありがたい。マットの手配と運搬は頭の痛い問題なので、とても助かるのです。

 

ヨーガクラスは11人のご参加。

いつも来てくださっている方がユキコに、「あんたの説明、分かりやすいな」。
それは、ユキコの説明が分かりやすくなったというより、みなさんが少しずつヨーガに馴染んできてくださったから。ほら、体の緊張も前に比べて、少しずつ取れてきている。
やはり、回数を重ねることは大事。
変化が感じられるのは、本当にうれしいことです。

そして、マリコのタッチケアは、別室にベッドを用意していただいて、夕方までお一人30分で9人の方に施術。マリコはこの6月から、所属しているNPO「タッチケア支援センター」の主催するタッチケア中級講座を受講しており、技術もクライアントへの接し方もスキルアップしています(はずです!ええ!)。

 

受けていただく方は、ほとんどがリピーターの方。

一番最初からずっと受けにきてくださっている90代のKさんは、文字通り見違えるほど生き生きと変化され、「タッチのパワー」を実感させてくださった方。いつも「ありがとうね」「気持ちいいね」「幸せだね」と言ってくださいます。その言葉にどんなに力をもらえるかわかりません。

 

でも、すべての方が明るく、心やすらかに暮らしておられるわけではありません。

「つらいよ。」

「先のことがねえ。。」

タッチを受けながら、そう話してくださる方もいらっしゃいます。

なかなか進まない復興と長引く仮設暮らし。不自由さ、心細さ、様々な試練を抱えたままなのですから、当然だと思います。そして、そのつらさも不安も、「みんなおんなじだから」と、お互い口にし合うこともないようです。

「昼間はいいんだけれど、夜になるとどうにも暗い気持ちになって、眠れない時がある」と打ち明けてく出さった方に、私は答えられる言葉がなくて、ただ今この時だけは安心して、安らかな気持ちになってもらえるようにと、タッチの手に思いを込めました。

 

震災の時の話をしてくださる方も。

元新日鐵釜石の鉄鋼マンのYさんは、あの時全国各地から助けに来てくれた人々のありがたさが忘れられないとおっしゃっていました。

 

「縁もゆかりもない人が、わざわざ遠くから助けにきてくれるんだからなあ。避難所を回って『必要なものありますか?、何かしてほしいことないですか?』って言ってね。なんでこの人たち、他人の私らにここまでしてくれんだろうって思いましたよ。でもありがたくてねえ。だから、子や孫に言ってるんですよ、困ってる人がいたら助けに行かなきゃなんねえよって。そうやって私ら助けてもらったんだから。返さなきゃあ。」

 

震災直後、支援に駆け付けた人たち。その人たちに直接恩を返すことはできなくても、別の困っている人たちに返す。仏教でいう「回向」ですね。その時の支援者の方たちも、それを一番喜ばれると思います。

 

 

今回は、住民の方たちへの施術が終わった後、スタッフの方2名にタッチケアを受けていただきました。

「お疲れでしょうから私たちはいいです!」と固辞されるのを、「そうおっしゃらずに!」となかば無理矢理に(笑)

今回の活動の重要ミッションは、「サポートする人たちへのサポート」ですから、ここはぜひとも受けていただきたかったのです。

そして、「今まで受けたマッサージとぜんぜん違って、とてもいい」「ぜひまた受けたい」とうれしすぎるコメントをいただいて、心の中でガッツポーズ。p^-^v

19:00

ユキコはヨーガクラスを終えた後、一足先に大阪へ帰っているので、マリコはスタッフのNさんに送っていただいてホテルに引き上げます。

帰り道の車中、サポートセンタースタッフのお仕事をいろいろお聞きしました。日頃どんなことをされているのか、住民のみなさんと接するうえで、どんな苦労があるのか。

 

すると、やはり仮設住宅生活で住民のみなさんのストレスが蓄積していることは間違いないようで、その苛立ちをぶつけられることもあるそう。

「その人たちも、本当は私たちに怒ってるんじゃないんです。自分でわかってても、誰かに言わずにおれないんだと思います。」

 

でもたとえそうだとしても、きつい口調でものを言われたり、差し伸べた手を拒絶されるのは悲しく心がすりむけるはず。やはりスタッフさんこそ優先的にケアするべきだ、したいという思いがさらに強くなりました。

 

そして、つい最近一人暮らしの男性が亡くなられた話もうかがいました。巡回で訪ねて返事がないので、入って発見したそう。

担当の方はじめ、スタッフ全員が「孤独死させてしまった」「もう少し変化に気づいていたら」と、悔やむ思いが尽きないと。

それを聞いて私(マリコ)は、大阪のソーシャルワーカー神野さん(5月の日記参照)からつい先日聞いた言葉を力を込めて伝えました。

”それは孤独死じゃない。誰も気にかけてくれる人がいなくて何か月もたって見つかるのが孤独死。すぐに発見され、こうやって何人もの人から悔やまれている人が孤独であるわけないではないか。それは『在宅死』であって、決して『孤独死』じゃない。”と。

「それを聞いて救われます」と言ってもらえて、少しほっとしました。

 

ここのスタッフさんたちのために私たちができることは他にないだろうか?

お話をしていると、ヒントが少し見えてきました。センターまでやってこれない寝たきりの方や、引きこもりの方には、こちらから訪問することもできそう。

私たちの善意の押し付けにならず、住民の方、スタッフさんのニーズに適うことを考えていきたいです。

 

19:30

大槌の友人Kさんにお会いして食事。ホテルマルエ横の海鮮料理「丸藤」へ連れて行ってもらいました。

ここはウニ丼が有名とのことですが、地元のウニは終わっているらしく、「よそのウニ」食べるのもなあってことで釜めしに。

美味しかった!

 

「丸藤」

 

いつも私たちを応援してくれるKさん。前回来たときは初めて震災の時のお話を深く聞いたけれど、今回はただの四方山話。それがまた楽しく、和みます。こうやってここの人たちと楽しく過ごすためにここへ来ているんだと改めて思います。

私(マリコ)は震災があるまで「大槌」という場所があることさえ知らなかった。今は大槌・釜石は大事な友人、気にかかる人々、私たちを気にかけてくれる人がいる場所になりました。

しみじみと、縁は不思議です。

21:30

Kさんと別れ、ホテルの前から川向うを振り返ると、夜の空に蒸気を噴き上げる新日鐵の工場夜景が。

にぎやかだった今回の合同ツアーの最後、一人きりになって、この景色を眺めると、何か名づけがたい思いがぐっと胸に迫ってきます。

 

現地のみなさんの温かさに支えられ、仲間と力を合わせ、今回も無事にミッション終えられてよかった。

今の私たちにできる精一杯のことができてよかった。

ありがとう。

 

おやすみなさい釜石。

また来ます。

次の日

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