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 DIARY~活動記録   

2015/5/30(Sat)

 

7:00~

 

狭いベッドの隙間でアーサナ、軽く瞑想。朝ごはん。

コンビニでお昼ご飯を調達。釜石駅前でレンタカーを借り、今日の活動地・釜石市の鵜住居(うのすまい)地区へGO!

釜石市は2019年のラグビーW杯の開催地の一つに選ばれましたが、そのスタジアムが建設されるのが鵜住居です。

9:15

鵜住居サポートセンター着。

石田所長始め、スタッフのみなさんに暖かく歓迎していただいて、さっそく準備開始!

ここへ来るのも4度目になり、もうお客さんとしてではなく仲間として受け入れていただいている気がして、うれしくかつさらにやりやすく感じます。

 

10時から、マリコは終日タッチケアマッサージ。

ユキコはヨーガクラスを行います。

サポートセンターでマットを20枚購入してくださっていました。マットの手配には今まで苦労していた(各方面に苦労をおかけしていた)ので、とーってもありがたいです。(^人^)

 

<ユキコ>

10:00~12:00

ヨーガクラスに集まっていただいたのは11名。もうおなじみの方がほとんどですが、今回初めて来ていただく方も。

ここは男性が多いのも特徴で、熱心に見て、積極的にやろうとしてくださいます。

 

クラスでは、いつものように、入念なほぐしから入り、背骨を意識したポーズ、「緊張と弛緩」~くつろぎのポーズ(シャバアーサナ)、そして呼吸法を行いました。呼吸法では「ブラフマリー」(蜂の羽音の呼吸)という、頭蓋の中で音を響かせる呼吸をご紹介しました。内側に意識を向けるのに最適で、音の振動が脳に刺激を与える効果もあるそうです。

 

ユキコのヨーガはシンプルでテンポもゆったり。ストレッチ体操のように思いっきり筋肉を伸ばしたり、筋トレのように我慢してポーズをキープしたり、そういうことはしません。動きは簡単で誰にでもできるのですが、「体の内側」に意識を向け、「動きによって生起される変化」を感じることをとにかく重視します。その「自分の内面を感じる」ということが、意外に集中力を要します。

目指すのは、ストレスに強く、環境変化に適応できる身体とこころ。自分の中で起こるデリケートな変化をとらえる感覚を磨き、その感覚をまた身体にフィードバックしていくことで、敏感でかつ安定した心身が作られます。簡単に思えて実はちょっと難しい。でもそこにはこだわっています。ただの「健康体操」ではなく、ヨーガをお伝えする意味がそこにあると思うからです。

でもみなさんには、「よぐわがんねけどなんかすっきりした」「リラックスできた」と感じていただければそれで十分。その気持ちよさを覚えていただいて、続けてくだされば、どんどん体が変わっていきますから!

参加してくださったみなさんに、それを感じていただけたかなと思います。

ブラフマリーも、とても上手にできてらっしゃいました。

 

14:00~16:00

 

サポートセンターのみなさんとお弁当ランチをご一緒した後、ユキコは釜石市小川の「かだっぺし」さんに移動し、3名の参加者さんにヨーガクラスを実施。

ほぼプライベートレッスンに近く、一人一人をじっくり見させていただきました。会場もアットホーム・・・というかほんとに民家なので、少人数が向いているクラス。「内面に意識を向ける」やり方を丁寧にお教えすることができ、教える方も満足です。

これからも丁寧に関わっていきたいし、私たちが行けない間のエクササイズのことも考えたい。ここは本当に私たちにとって勉強になる、工夫し甲斐のあるクラスです。

鈴木さん、ほんとにありがとうございます^-^

 

 

<マリコ>

10:00~17:30

 

今回も、受けていただく方の募集と時間割調整をサポートセンターの方でやっていただきました。

飛び入りの方も含めて住民の方9名、スタッフの方1名。

休憩をはさみつつ、お一人30分枠をいっぱいに使って、今のマリコの持てる技術を(足らないところは気持ちを)全部そそいでやらせていただきました。

全身をカバーできるベーシックなパターンの施術を基礎に、それぞれの状態・ご希望に合わせて、肩や腰を重点的にケアしたり、脚や腕にオイルを使ったり、構成にバリエーションを加えてみました。

 

他人に触れられるということにはどうしても無意識の緊張が入り、タッチがなじんでいくまでに少し時間がかかるものなのですが、人間関係ができてくると、そこの時間が短縮され、より深い効果が得られます。信頼して委ねてくださっていることが感じられると、とてもうれしく、気持も乗りますq(^-^)p

 

マリコのボディワークは、やっていることは「マッサージ」なのですが、その本来の目的は、「その人の”存在”に対して敬意を表する」という行為。「あなたが生きて、今ここにいる。あなたの存在はかけがえのないもの。」というメッセージを、タッチを通じてお伝えすることです。こりをほぐしたり、リンパの流れをよくしたりは、実はその副産物で、ほんとの目的は自分が「今ここにいること」を実感し、それに喜びを感じていただくことなのです。

 

今日一番目の方は、マリコが特別に思い入れのあるKさん。去年の秋初めてお会いした時は、「生活不活発病」のひどくなった状態で、自分では動けず車椅子でいらしたのに、タッチケアを受けたことがきっかけで気分が変わり、積極的にケアを受けたり、外出をされるようになったという方。お会いする度に、身ぎれいになり、表情が豊かになり、今回はパーマを当てた髪に、おしゃれな服装。入口から部屋まで、自力でカートを押して歩いてこられました。

いくつになっても、どんな状態からでも「人は変われる」のだということを目の当たりにし、本当に勇気が湧きます。そしてそのポジティブな変容のきっかけになれたことを、とてもうれしく思います。

 

お二人目以降は、もうおなじみの方には3か月ぶりの近況をお聞きし、その方の人となりが私の中でどんどん肉付けされていくのがうれしかったり、初めての方には新しいお話を聞くのが楽しかったり。

施術中に気持ちよく寝てくださる方が多くて、それもうれしかったです。リラックス回路である副交感神経が優位になった証拠。心身を緩め、短い時間でも深く休息していただけたと思います。

 

みなさんへの施術が終わったあと、スタッフのMさんに受けていただきました。

私たちには被災住民の方をサポートしている立場の人たちをサポートするという目標があるのです。自分たちも被災者であるにもかかわらず、支える立場にある方、自分のことは後回しにして人のためにがんばっておられる方を励まし、疲れを癒したい。ヨーガのクラスができればいいのですけれど、やっぱりセンターの業務時間内は難しかったりするので、今回は1名だけですが、ご希望の方にタッチケアマッサージを受けていただきました。

「いいんですか?」とおっしゃったけど、もちろんです! どころか、本当はもっと時間を取って、スタッフの方全員に受けていただきたいんです。日頃のご苦労に敬意を込めて。

 

19:00

 

今回、ここでものすごくラッキーな出会いがありました。

 

震災後、被災地の仮設住宅に、支援員さんたちの支援をするという目的で全国から社会福祉の専門家の方々が交代で入られたそうですが、ここ鵜住居に派遣されたのが大阪茨木市のソーシャルワーカー神野 享士さん。その神野さんがこの日大阪から再び訪ねて来られたのでした。

 

お昼過ぎ、マリコがマッサージしていると、センターの玄関でなにやらにぎやかな声。

「わぁ神野さんお久しぶり!お変わりないですねえ!」

「えー!?こんなに痩せたのに!誰ですか?て言われる思たのに!」

「いや~ぜんぜん変わってませんよぉ」

「ショックや~帰ろかな~」

 

明るい大きな大阪弁に、静かだった館内の雰囲気が一変しました。マッサージの空き時間にのぞいてみると、「え?大黒様ご来訪?」と思っちゃうような、めちゃ印象的な存在が。

居住者のみなさんもどんどん集まって来て、みんなが笑顔。なんですかこの人気者は。

 

聞けば神野さんが滞在したのは2週間だけだったそうですが、帰る時「必ずまた来るから」とみんなと交わした約束を果たすために、休暇を取って自費で来られたそうです。

いいなあ!こちらまでうれしくなるお話。^-^

 

その神野さんを囲んでのスタッフのみなさんの食事会に私たちもご一緒させていただきました。非番の方も駆けつけてサポートセンターのフルメンバーが集い、施設長の久保さんともその席で初めてお会いできました。

 

スタッフさんと神野さんのお話を聞いていると、仮設住宅ができた初期の頃の手探りの苦労に、そんなこともあったんだと驚きっぱなし。

でも対人援助の経験が豊富で頼れる神野さんの存在が当時のスタッフさんの大きな助けになったことは想像に難くありません。3年たった後にもこうしてみんなが集まって、ついこの前のことのように話が弾むのですから。いささか陳腐化した「絆」という言葉が本当の意味するものがここにある気がしました。

神野さんのおかげで、みなさんの「大阪」イメージもぐっとアップしたに違いない!

(実は大阪でもこんなパワフルでよく飲んで話面白い人は滅多にいないんですが...まあいいか^-^;)

 

そうそう!大阪といえばその場でとてもいいお話を聞きました。

被災地には全国から自衛隊や県警が来て活動しているのですが、大阪府警のみなさんは目立って優秀だったそうです。やるなあ大阪府警!

働きだけでなく、態度もすばらしかったそうで、信号がなくなった道で炎天下に立って手旗で交通整理する警官さんに、感謝した地元の人がアイスとかジュースとか色々渡そうとして、「受け取れません!ごめんなさい!」って固辞してる光景を何度も見たと。「ボクら、仕事しててこんなに感謝された経験ない。逆にこっちがお礼を言いたい」と言ってる人もいたとか。

大阪であることが誇らしい。って、今まであんまり思ったことないから、特にうれしい。

 

 

 

22:00

 

サポートセンターのみなさんとのお食事会の後、神野さんと「よさく」であと少しお話を。ソーシャルワーカーのお仕事について、色々お話をうかがいました。

神野さんが大阪の方で、私たちにとって超ラッキーでした。

地域の医療活動貢献というテーマを持つユキコにも、養護施設などでのボランティアがやりたいマリコにも、願ってもない相談相手になっていただけそう。

ここで会ったが百年目。神野さん、これからもどうぞよろしく!

 

 

24:00

 

長い充実した1日が終わり、体は疲れたけれど気持ちは充実。あしたもがんばろう。

タッチケアに使ったタオルを洗濯して、おやすみなさい!

 

 

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