ココフル・プロジェクト
アイタイカラ。

ー 大槌・釜石 ヨーガ&タッチケアボランティア活動記録 ー
次回のツアーは5/20~22です!
5/15 UP
DIARY~活動記録


2014/11/9(sun)
7:00
起床。
朝食、ホテルのバイキングメニューが今一つなので、夕べ買っておいためかぶ&いくらを持ち込んで(すみません!)ご飯にかけて朝からめかぶ丼!
「一食入魂」のユキコは食べ物に妥協しません。
9:00
今日は大槌町の小鎚地区の仮設住宅で2クラス。
出発する前に、ホテル周辺の様子をカメラに収めます。ホテルのある大町は釜石市の中心地なのですが、歩道はまだ凸凹なまま。市の全体が大被害を受けてしまうと、整備するにも順番があるということなのだと思います。
それでも、空き地に地鎮祭の笹が立っているところも。ここもようやく何かが建つんですね。少しずつ時計は進んでいます。






10:00
大槌町へ車で30分。「小鎚第5仮設団地集会所」できょう最初のクラス。
雲に覆われ風もある寒い午前中でしたが、4人の方に集まっていただきました。何度も参加してくださっている方のお顔が見えるとうれしいし、初めての方が来てくださるのもうれしい。人数が少なくても、お一人お一人とお話ができるというメリットもあります。
手の関節が原因不明で痛む方、脚のむくみに悩む方、肩こりがひどくてつらい方。みなさんそれぞれの不調をお持ちでした。お話を聞くと、仮設暮らしはやはりお医者さんが遠くなったり、専門のお医者さんがいらっしゃらなかったりなど、医療環境での苦労が大きい模様。すぐにどうにかできる問題ではないことがまたつらいところです。だからヨーガでは体を温め血流をよくするポーズを、ゆっくり&しっかりやっていただきました。目や口を大きく開いたり舌を出したりするお顔のほぐしは脳の活性化につながり、嚥下力の向上やかすみ目の改善にも効果があります。ご自身でどれくらい気づいていらっしゃるかわからないのですが、やった後では表情が断然変わります。生き生きしたお顔になるんですね。それを見るのは本当に楽しみです。
ヨーガの後は肩や背中を入念にマッサージさせていただきました。来たときよりも体が軽く、楽になって帰っていただきたい。それに尽きます。
現地へ行って知ったことですが、メーカーの花王さんが、地道にずっと被災地の支援を続けてらっしゃるんですね。福島・岩手・宮城の新聞社が行っている「スマイルとうほくプロジェクト」を協賛し、仮設住宅を訪問して花植え・手洗い体験・ハンドケアのプログラムを実施したり、復興支援のメッセージとイラストのキュートな日めくりカレンダーを作って配ったりなど、ほんとうに「役に立つ」「気持ちに寄り添う」活動をなさっています。そしてことさらにそれを全国にアピールすることもなく。
すてきな企業だなあと感激しました。これから洗剤はアタックにしますとも!
13:00
次のクラスまでの間に、大槌の沿岸部の様子がどう変わったか見に行きました。旧役場跡にはお地蔵さまと花を手向ける祭壇が。ここでも花が絶えることがないようです。
現在の役場の仮庁舎の周りは、工事用の迂回路ができ、整地が進められています。建物の姿はまだありません。これを見て「まだこの段階か。。」と思うか、「やっとここまで来たよ!」と思うか。私たちに答えはありませんけれど。。。
そのあと漁港の方へ回ってみました。こちらも夏に来たときから景色は変わらず。
停泊中の漁船に赤いウェアの漁師さんがいて、さっそくユキコが話しかけます。
「こんにちは!」
「おう。寒いなあ!」
「海、寒いですよね」
「寒いよぉ。ワシら、沖じゃあ頭から波被っても冷てぇなんて全然思わねんだけっど、港でこうやってたらやっぱし寒いんだな」
って。
そうやって話しながら、あの日の話も伺いました。船の上で津波に遭い、それからどんなものを見たか。
(お話の内容はVOICESをご覧ください)
いつ来ても感じることですが、こうやって気楽に明るく接してくださる人も、少しお話をしていけば、みんなものすごい体験をして、ものすごくたくさんのものを喪っている。ここに無傷の人は一人もいないんです。



14:00
話し込んでいたらもう次のクラスの時間が迫っていて、慌てて「小鎚第20仮設団地集会所」へ。
元気な少女たちが、絵を描いたりピアノを弾いたり、にぎやかに遊んでいます。子供たちにとって仮設暮らしはどんな風に感じられているのでしょうか。でも屈託のない笑顔を見ていると心に明かりが灯ります。子供はやっぱり希望の塊なんだなあと。
クラスには、いつも楽しみに参加してくださるMさん、「調子が悪くてヨーガはできないけど、マッサージなら」と、出て来てくださいました。他の方がユキコのヨーガのレッスンを受けられている間、マリコはお座布団を並べてベッドを作り、マッサージサロンを開業。
このマッサージセッションは、こちらがびっくりするくらいうまくいきました。首、肩、背中、手の平、足裏、触るだけではっきりと「凝りの根っこ」がわかり、そこをいろんなアプローチでほぐしていくと、みるみる「滞っていた何か」が流れ始め、ご本人も驚くほどの効果が。終わった後は声のハリが違う、目の輝きが違う、動きのキレが違う。きれいに掃除してメンテナンスしたツールが滑らかに動き出すように、明らかに体が変わり、それに伴ってスピリット面も活性化されたようです。タッチの力を感じた貴重な体験でした。
今回のツアーでは、ユキコのヨーガ仲間・塚本真理先生から寄付していただいたオリジナル「ヨーガパンダ」の手拭いをお配りしてきました。どこの会場でもみなさん大変喜んでくださったのですが、ここでは「写真撮って。みんなに見せて」と言ってくださったので、写真公開!
ここに参加してくださるみなさんはとても仲良く気さくで、みなさん同士のお話を聞いているのがとても楽しい。
ところでこのパンダ、本格的な、非常にマニアックな古典文献に則ったヨーガやってます。ふつう「ヨガ」って言って「鼻でうがいする」とか「ローソク見つめる」とか想像しないでしょ。このイラストのおかげで「これ何やてるの?」とジャーラネティ(鼻うがい)に興味を持ってくださる方が多かったので、次回はネティポット(鼻うがい用の器具)を持参して実演します。ヤッホー真理先生!v^o^v
17:00
昨日の鵜住居の会場に忘れ物を取りに行き、そのついでに鵜住居サポートセンターの女性所長Iさんと次回のクラスの打ち合わせをしました。みなさんの現状、ニーズ、私たちのできること、スタッフの方にお手伝いいただくこと、必要なもの、などなど。
お話をしていて、被災者のみなさんだけでなく、こうしてサポートをしていらっしゃるスタッフのみなさんに向けてのクラスやケアも行いたいなと強く思いました。厳しいのは被災者の方だけじゃないということがわかったからです。世話する側の人を世話してくれる人はいません。疲れはたまるばかりです。次回は2月ということが決まりましたが、その時はここのスタッフのみなさんに何かできることを考えたいと思います。
打ち合わせの後、Iさんにマッサージのデモを受けていただき、「次回は夜行きましょう!」と飲みの約束も^o^
なんかもう、どんどん楽しくなっていきますよ!
19:30
「かだっぺし」鈴木さん、および釜石の薬剤師中田義仁先生と一緒にお食事。中田先生はユキコが震災時に薬剤師として釜石に来たときに大変お世話になった方。
釜石は震災直後、後に「釜石方式」と呼ばれる医療体制を展開し、混乱のさなかでも被災者に必要なお薬を供給し続けたことで医療界で非常に高い評価を受けたのですが、その釜石方式の中心的な役割を果たされた方です。鈴木さんの同級生で、私たちに鈴木さんを紹介してくださった方でもあります。
お忙しいお二人が私たちのために時間を作ってくださったのに感激です。ユキコはもう話が止まりません。うれしい夜になりました。
釜石方式の概要と震災時の現場の状況について、中田先生自身が語っておられる映像。とても興味深い内容です。医療関係者でない方もぜひ聞いてみてください。
「薬剤師ON AIR 100か所の避難所に対応」(YouTube)
22:30
明日は盛岡まで110キロのロングドライブ(私たちにとっては!)。
温泉入って、早く寝る!