ココフル・プロジェクト
アイタイカラ。

ー 大槌・釜石 ヨーガ&タッチケアボランティア活動記録 ー
次回のツアーは5/20~22です!
5/15 UP
DIARY~活動記録
2015/2/7(Sat)
7:00
起床・軽くアーサナと呼吸・朝ごはん。
まずまずのお天気。
今日は私たちがヨーガとマッサージでがんばる日。
ええ、がんばりますとも!o(^o^)o q(^-^)p
8:30
NPO法人「かだっぺし」代表の鈴木さんが迎えに来てくださり、鵜住居サポートセンターへ。
アイタイツアーの活動は、かだっぺしさんに本当に助けていただいています。
今回も、冬の岩手の道を運転できない私たちの送迎、ヨーガマットの運搬、クラスの準備を全面的にお手伝いいただきました。
マットは、ヨガを通した被災地支援を行っておられる東京のココフル・プロジェクトさんからお借りしています。ココフルさんありがとう!マットは大槌のボランティアセンターの倉庫に保管されているので、搬出・搬入にはボラセンのみなさんにもお世話になります。
かだっぺしさんについてはこちら(HP・Facebook・私たちの日記)
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大槌町社協ボランティアセンターについてはこちら(ブログ・Facebook)
※ココフルさんとは、これから先さらに協力して活動を進めていく予定です。詳細は後日ご報告します。
どうぞよろしくお願いします!
^-^/



9:00
鵜住居サポートセンター着。
大きな被害のあった鵜住居地区の仮設住宅団地内で、仮設住宅で暮らす方々の集会所となっている施設。大きくて手入れの行き届いた施設で、住民の方々のケアやイベントに用いられ、常駐のスタッフさんがおられます。
まだ雪も残る寒さの中、石田所長はじめ、スタッフのみなさんに温かく迎えていただきます。
ここでマリコのみ残し、ユキコとクロイワくんは小川の「かだっぺし」集会所へ向かいます。ここから二手に分かれてそれぞれヨーガとマッサージの活動を行います。
<マリコ>
10:00~16:30
センターの1室にベッドをご用意いただきました。程よい広さで温度管理も完璧なプライベート空間。予め募集し、予約をいただいた方にここで順番にマッサージをします。お一人あたりの所要時間は45分で、実質の施術時間は30分くらい。
お一人ずつ、体調やつらい箇所、ご希望などをお聞きして、ゆっくりタッチしてゆきます。
マリコの勉強しているマッサージ(タッチケア)は筋肉の凝りをほぐしたり、血流・リンパの流れを助けることだけを目的としていません。「人が人に触れる」ことの持つ力をもっとも大切に考えます。
自分の身体に「触れてもいいよ」と許可してもらえるというのは、じつはとても得難いことです。
「受け入れてもらっている」ということを感じつつ、身体と結びついた「こころ」をほぐしていけるよう、身体の中の滞りを解消し、気の流れを健やかにできるよう、掌に気持ちを集中させ、その方の身体と対話してゆきます。
今回は10時からスタートし、お昼休憩と短いブレイクをはさみつつ、16時半まで9人の方に受けていただきました。
女性が7名と男性が2名。中には90代の方も。
むくみやめまい、睡眠障害など持病をお持ちの方、漁業や厨房など早朝からきつい仕事をなさっている方、みなさんどこかしらの不調を抱え、長引く仮設暮らしの疲れが相当こたえている様子。(「ここ(仮設)に4年もいるとは思わねがった」とつぶやかれた言葉がずしりと来ます)
施術は、そんなお一人お一人の状態に合わせた強さで、全身のストロークから始め、末端の手指・足指を丁寧にほぐし、流れを促すツボを刺激し、呼吸に合わせたリズムでマッサージします。しばらくそうしていると、外側の殻が溶けてきて、より深いところにタッチを届かせることができます。言葉にされなくても心地よさを感じてくださっているのが手の平を通して伝わってきます。うれしい瞬間です。
スタッフのみなさんのサポートでとてもスムーズに施術を終えることができましたが、中でも忘れがたいのが、Kさんとの再会でした。
Kさんは前回訪れたとき初めてお会いしました。脚の浮腫で歩くことができず、引きこもり状態となり、スタッフさんたちが何に誘っても外出しようとなさらなかったのが、どういうわけかマッサージを受けに来てくださって、とても喜んでいただいたのでした。
そして今回も、またマッサージがあると聞いて、楽しみにして来てくださったとのこと。この前は車いすだったのが、なんと、杖をつきながら歩けるようになっておられ、パーマもあてて、見違えるほどおしゃれに。
あれがきっかけとなって、変わられたそうです。それを聞いてほんとにうれしく、すべてが報われた気持ちになりました。
Kさんはじめ、受けてくださったみなさん、ありがとうございます。


<ユキコ>
10:00
小川のかだっぺし憩いの場で、ユキコはかだっぺしに集うみなさんを対象にヨーガのクラスを実施。
こちらは比較的若い男性が中心で、高齢者が多い仮設でのクラスとは違ったアプローチが必要です。センシティブな感受性を持った方が多く、ヨーガのどういう面を経験していただくのがいいのかが悩みどころ。ポーズや呼吸法を通じて、身体の内側に起こっていることを観察し、「今ここ」の感覚にフォーカスする。それをお伝えすることを目指しました。
「エクササイズ」や「ストレッチ」とは違う、ヨーガの身体感覚を、少し感じていただけたでしょうか。
インフルや花粉症の季節でもあるので、ヨーガの浄化法「ジャラネティ(鼻うがい)」も紹介。嫌がられるかと思いきや、積極的にチャレンジしていただけてうれしい驚きでした。
希望者に差し上げたネティポット(鼻うがい用器具)は、我々の活動を支援してくださる方の寄付金で用意させていただきました。ありがとうございます!(^人^)


シンハ(ライオン)のポーズ

14:00
昼食もそこそこに、マットを運んで鵜住居サポートセンターへ。
14時から仮設住宅の方に向けて、3回目となるヨーガクラスを実施。今回はマッサージとヨーガを分けて実施したため、しっかりヨーガに興味のある方に集まっていただけました。第一回目から参加していただいているお顔を見つけるとテンション上がります!
男性も多く、熱心に説明に耳を傾けていただけました。
きちんと意識してご自身の体調管理に努めておられること、とてもすばらしいです。
マッサージもヨーガも、両方受けてくださる方もいらっしゃって、うれしいなあ。
←このファニーフェイスは立派なヨーガのポーズなんですよ。敵を威嚇するライオンを表わすポーズ。思いっきり舌を出すことで喉まわりの筋肉が鍛えられるし、表情筋をダイナミックに使うことで頭部の緊張を取ることができます。嚥下力が高まる、表情がいきいきする、そのうえ眼精疲労にも効果絶大なので、手芸をよくなさる岩手の女性にぴったりだと思って取り入れています。でも、この顔見て笑っていただけるっていうのが一番の効果かも^o^
こちらでも鼻うがいをご紹介し、ネティポットをお配りしました。それから前回数が足りなかったヨーガパンダのてぬぐいを、作者の塚本真理先生のご厚意で追加で寄贈していただき、差し上げてくることができました。真理先生、ありがとうございます!喜んでいただけましたよ~
17:00
せっかくなので、サポートセンターのスタッフのみなさんにも、ヨーガをしていただきました。
お世話をする立場の方は、ご自分が疲れていても、なかなか自分のケアために時間を使うことができません。本当はスタッフの方にこそ、心身を整え元気でいていただかなくては。
参加してくださった男性スタッフの方、すごくいい感じで動いてくださってました。ヨーガ初めてとは思えない^o^
アシスタントとカメラマンで活躍してくれたクロイワ青年もナイス!これを機にヨーガ始めるのいかがですか?^-^
20:00
ホテルまで鈴木さんに送っていただき、その後近くの居酒屋さんで、鈴木さんとサポートセンターのみなさんと懇親会の場を持っていただきました。ミッションをやり遂げた充実感で、明るく盛り上がった気持ちで乾杯。
そしてみなさんの日常についてお聞きするうち、お話は自然に震災のことに。。。。
サポートセンターで、文字通り住民の方々をサポートしておられるみなさんも、当然ですが被災者なのでした。本当は支えを必要とする立場でありながら「支える」お仕事をなさっているわけです。
それも、お聞きすればご家族・親族を失くされ、家を流され、避難生活・窮乏生活をし、愛する方の行方を探しながら、人を支えるお仕事もしていたと・・・
あらためて、この地に無傷の人はいないのだということを思い知りました。明るく笑い、人を助け励ましている方も、深い傷と喪失を抱えて生きておられる。そのことは忘れないようにしなければと思いました。
(その時のお話はこちら。※正確に再現できていないところがあればご容赦ください)
22:00
春の再会を約束して解散。お疲れのところ、遅くまでお付き合いいただきほんとうにありがとうございました。
鈴木さん、ご縁をつないでいただき感謝です。
22:30
釜石に来ると必ず立ち寄っている居酒屋「よさく」にご挨拶に顔を出しました。ここの大将と女将に逢わずには帰れません。
のれんをくぐると、さすがの人気店、遅い時間なのにお座敷もカウンターもぎっしり!常連の方に席を譲っていただき、少しだけ雰囲気を楽しみました。
ここは自分たちだけで飲むということができない店。店の人や周りのお客さんとの境界というものがないので、いつの間にかボトルも料理も誰のものやらわからなくなり、一緒になって話しています。
話題はいつも多岐にわたり、お酒とともに賑やかに弾みますが、今回はいつもと違って真剣な議論になっていきました。
釜石に「戻ってきた」という方がいて、職のなさ、賃金の低さ、地元にお金が落ちない仕組みについて、胸に溜まった思いを吐露。
「どうして復興事業を東京の企業にやらせんのよ?東京の企業ばっか儲けさせ、よそから来た人間に仕事出して、釜石は何も潤わない。少ししかない求人は奪い合いで、せっかく戻ってきたのに「俺たちの仕事を取るな」って言われてさ。こんなことで釜石に未来はねーよ。もっと若い人間に市政を任せねえとダメだ。」。
すると「市の人はよくやってるわよ。他の誰にあそこまでできる?。今までずっとがんばってくれたあの人たちを応援しないでどうするの。今までのことわかってる人がやらなきゃダメよ」と反論する人が出て、住民の間にもさまざまな考えがある(当然ですが)ことを目の当たりに。
これは本当に根深く困難なテーマだと思います。「地域の復興」を考えるとき、必ず「雇用・仕事(⇒生活)」の問題に行きつきます。街が生き返るには人が安心して暮らせなければならず、人が暮らすには住まいと仕事が必要です。
私たちは主に「人」にフォーカスして活動しますが、そこには必ず街の問題がベースとして存在し、来る度に強く意識せざるを得ません。
このとき私たちには言うべき言葉がなかったのですが、これが釜石の、被災地の、東北だけの問題ではなく、自分のことでもあるのだということは理解しています。問題の大きさに途方に暮れてしまうけれど、目を背けず、あきらめず、自分のこととして、持ち続けなければと思います。
よさくはいつも何か、「だいじなこと」を見せてもらえる場です。
24:00
明日も早い。慌ただしく洗濯を済ませて就寝。