解体業のKさんのお話
- Marico Isii
- 2014年11月7日
- 読了時間: 2分
秋田から来た解体業のKさん 58歳
ここ(釜石)で何してるかって?解体の仕事よ。秋田から来てる。
今解体してるのは住宅なんだけどね、建って1か月の家なのよ。流された家を、やっとのことで建て直して、そしたらその土地がつい最近決まった市の計画に引っかかったことがわかって、それで仕方なく潰すんだよ。もうね、つらいよ。新品のバスユニットとか、壊してるのがね。仕方ないんだけっど、それでもね・・・
震災の直後から断続的に仕事させてもらってるよ。直後はね、ひどかったな。もう町もめちゃくちゃだしさ、どさくさで悪いことする人もいたんだよ。俺たちの同業者でも、空のリュック背負って来て、壊れた家から物取って帰るとかね。人として恥ずかしい話さ。一緒に来てた奴が警察に摘発されて、俺も迷惑したよ。あんなときは、色んなことがあるもんだ。
ここで仕事することに関しては、なんて言うか、そりゃあもう、申し訳ないって思いがあるんだよ。「おかげさまで」仕事があるってことだから。地元よりずっと高い相場なんだ。でもそれが、震災の「おかげ」だってことが・・・。だけどその「おかげ」で、家族が食べて行けるんだ。そう思う度にここ(胸を指して)がね・・・
地元に仕事はあんまりなくてね。だからここへ来る。まだ当分ここの仕事はあるから、させてもらうよ。済まないと思いながらね。
***<思ったこと>***
ホテルのランドリーで出会ったKさん。洗濯物が乾くまでの間、話をしてくれました。いかつい外見に、話しかけられたときはちょいビビったんですが、話してみるととても暖かいハートを持った方でした。
震災が、直接的な被災地だけでなく、広く東北全体の経済活動に影響を与え、人々の生活を変えてしまっているのだということを再認識した出会いでした。
別れ際、Kさんは自分の携帯番号を見せ、「困ったこと起きたら掛けてくるといい。助けてあげるから」って。その場のノリでじゃなく本気で言ってくださってるのがわかりました。ありがとうKさん。立派に復興支えるお仕事です。がんばってください。。!
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